近年、全国的に熊の出没が増えており、住宅地においてもその影響が深刻になってきました。私の住む地域でも、近所で熊の目撃情報が相次いでおり、農作業をしていてもどこか落ち着かない気持ちになります。山間部だけでなく、集落のすぐそばまで降りてくることもあるようで、まさに「身近な脅威」となっています。
電柵による害獣対策と熊への効果

畑には、イノシシやハクビシン、シカなどの害獣が入らないよう電柵を設置しています。
電柵とは、電気が流れるワイヤーを張り巡らせ、動物が触れると軽い電気ショックを与えることで侵入を防ぐ仕組みのものです。
熊にも多少の効果はあると聞きますが、空腹で食べ物を求める熊の場合、強引に突破する可能性もあります。特に秋口は食料が少なく、熊の行動範囲も広がるため注意が必要です。電柵はあくまで「第一の防衛線」。それだけで完全に安心できるわけではありません。
熊スプレーの携行
最終手段として、熊スプレーを常に携行しています。熊スプレーは、熊が襲いかかってきたときに噴射することで、強力な刺激成分によって熊の動きを止める防御用具です。


少し値は張りましたが、日本製で噴射時間が長く、信頼できそうなものを選びました。普段は百円ショップで購入したミニ水筒ケースに入れ、カラビナで腰に付けて持ち歩いています。すぐに取り出せるようにしておくのが大切です。
火薬銃と鳴き声スピーカー


また、どうしても山林に近い場所で作業をする時のために、百円ショップで見つけた「火薬銃」も用意しました。最近はどのお店でも品薄状態でしたが、ようやく8連発のものを手に入れることができました。
試しに撃ってみたところ、小学校の運動会で使うピストルのような大きな音が鳴り響き、威嚇効果は十分にありそうです。

さらに、「猟犬が吠える音」を再生できるスピーカーも購入しました。これはモバイルバッテリーに接続して使うタイプで、想像以上に大きな音が出ます。
熊鈴よりもはるかに効果的だと感じています。夏場に空調服のファンを回すために使っていたバッテリーをそのまま活用できるので、携帯も簡単です。
熊との距離が近づく今
最近では、報道で「犬を襲う熊」の事例も耳にします。人里に降りてくる熊の増加は、単に自然界の問題にとどまらず、人間の生活にも大きな影響を及ぼしています。
子どもの頃は、きのこ採りや山菜採りを楽しみに山を歩き回っていましたが、今では農作業どころか散歩すら気を抜けません。
熊対策は、もう一部の地域だけの問題ではなく、日本全国で考えるべき課題になっています。行政にもスピード感を持った対応をお願いしたいところです。私たち一人ひとりもできる範囲で備えを整え、身を守る意識を高める必要があると感じています。