春の暖かさが増すとともに、我が家の庭もにぎやかになってきました。今回は、庭で咲いている芝桜とハナズオウの花、そして垣根にしているウコギの若芽を使った春の味覚について紹介したいと思います。
芝桜(シバザクラ)の彩りと甘い香り
まず目を引くのが、地面を覆うように広がる芝桜。芝生のように広がることからこの名前がついていますが、桜とは別の植物です。
小さな花がびっしりと咲き、ピンクや白、紫など色とりどりのカーペットのような光景を作り出してくれます。丈夫で手間もかからないので、グラウンドカバーとしても人気です。
芝桜は品種によって花の色に違いがあり、ピンク、白、紫、赤紫などさまざまな色の花が庭を彩っています。同じ芝桜でも、品種ごとに個性があるのが魅力で、異なる色を隣り合わせに植えると互いの色が引き立ち、見た目がより華やかになります。
近づくと、芝桜特有のほんのりと甘い香りが漂い、この香りに包まれて庭仕事をする時間は、格別の癒しのひとときです。
ハナズオウの可憐な花
次に紹介したいのはハナズオウです。
ハナズオウは、枝いっぱいに小さなピンク色の花を咲かせる落葉樹で、花が咲いた後に葉が出てきます。独特の花のつき方をしていて、枝から直接花が咲く姿はとてもユニークです。
咲き始めると庭がぐっと春らしく華やぎ、遠目から見ても存在感があります。ちなみに、ハナズオウの名前は「蘇芳(すおう)」という赤紫色の染料にちなんでいるそうです。
垣根のウコギと春の味覚
そして、春の楽しみといえば食べることも忘れられません。
庭の垣根として植えているウコギ(棘のあるウコギ科の植物)も、春になると新芽を出します。本来なら剪定した枝から伸びた茎芽を摘んで食べるのが理想とされていますが、今回は自然に伸びた脇芽を摘んでみました。


若芽をさっと湯がいてお浸しにしてみたところ、ほんのりとした苦味と春らしい香りが口いっぱいに広がりました。シャキシャキした食感が癖になる、春の力強い息吹を感じる一品です。この時期ならではの、自然の恵みに感謝しながら味わいました。
春の庭は、目でも舌でも楽しめる贅沢な季節ですね。