今月初めに剪定をしたイチジク畑を歩いていると、一面にヒメオドリコソウが群生していました。まるで紫色の絨毯を敷きつめたような景色に、思わず足を止めて見入ってしまいます。
ふと「そろそろかな」と思い立ち、近くの竹林へ向かってみました。地面に目を凝らしてみると、わずかに顔を出したタケノコを4つ発見。春の息吹を感じる、うれしい瞬間です。
そのそばでは、タチツボスミレ(立坪菫)が可憐に咲いていました。タチツボスミレは日本の春を代表する野の花で、淡い紫色の花びらとハート型の葉が特徴です。踏みつけてしまいそうなほど小さな花たちですが、近づいて見ると一つひとつがとても繊細で美しいことに気づかされます。
少し歩みを進めると、今度はユスラウメ(山桜桃)の花が目に飛び込んできました。ユスラウメはサクラの仲間で、白からピンク色にかけて可憐な花を咲かせます。花が終わると、初夏には赤い小さな実がなるので、それもまた楽しみのひとつです。
桜の花はほとんど散ってしまいましたが、これからも畑や山は様々な花々で彩られていきます。春の移ろいをひとつひとつ楽しみながら、自然とともに過ごしていきたいと思います。